7 完成と反省


一段目が完成しました。
木造フェンス用の鉄パイプを継ぎ足してから、二段目のカゴを乗せます。
あとは石を詰め込むだけです。

スクリュー状針金の末端は怪我防止のために、細いビニールホース(内径3ミリ)
を3センチに切って差し込みました。

ガーデンライトはアマゾンで購入しました。

 








■私の作ったガビオンは、大谷石の処分に困っ末の作品です。
DIYでガビオンを作っている方の動画に触発されて、作り始めました。
石の量にも限りがあってこの程度のガビオンしか作れませんでしたが、
ライトアップされたガビオンは想像以上の存在感です。










■注意点
※ワイヤーメッシュはすぐに錆びます。
※カゴを組み立てるときや石を詰めるときに鉄部同士が強く接触して錆止めがこすり取られます。
 後日あちこちで錆が目立ちましたので、見える範囲と刷毛の届く範囲に錆止めを塗り直しました。これも楽しい作業です。
完成後、半年が経過しました。なんら変化は見当たりません。


■パブリックスペースの考え方。
自分の敷地内では何をしようが勝手です。高い塀で囲もうが、
木を植えようが、ゴミを溜めようが、やりたい放題です。
・・なかには、ゴミも枯れ木の賑わいと思う粋人もいるかもしれませんが・・。
しかし、道路に面した場所はきれいにしたいものです。
歩く人もきれいな道を歩くのは気持ちがいいものです。

道路に面した場所はパブリックスペースだ、と肌で感じられるのが、
外国の観光立国でしょう。特にスイスは窓という窓に、溢れんばかりの花を飾り、道行く人の目を楽しませてくれます。
(自治体の条例らしいです)
 防犯カメラと黄色いゴミネットだけの道路ではさみしいです。

■試作品のガビオンを玄関前に置いてみました。













この記事の参考画像は、ページの【参考画像-7】をご覧ください。

最後までありがとうございました。
いつの日か、亜鉛メッキのワイヤーメッシュで挑戦したいと思っています。

最後に動画のおまけです。




6 組み立てる

ガビオンの設置場所を整え、いよいよ組み立て作業です。
スクリュー状の針金はワイヤーメッシュにスルスルとからみつきます。
脱脂と錆止めの作業に比べれば、この組み立て作業は楽しく進みました。

ガビオンは頑丈な基礎を作る必要がないのもうれしいです。
組み立てたカゴを設置場所に並べ、隣どうしのカゴを針金で結びます。
最終的にはガビオンの上にフェンスを取り付けるつもりです。
横板の設置方法をいろいろと考えましたが、ガビオンの両端2か所に
1mの鉄パイプを打ち込み、その鉄パイプを支柱として木を横に取り付
けるという方法にしました。
完成予想図(笑)



詰める石について。
どんな石を詰め込んでも、それなりに出来上がるようです。
赤い石や青い石、丸い石や細長い石等を選んで作り上げるのも面白そうです。
ネットからはたくさんの作品を見ることができます。デザインに決まりはありませんので、
それを参考に自分の考えをアレンジして作り上げるのも楽しいと思います。

石はネットでも販売しています。ロックガーデン・割栗石で検索すると白砕石、青砕石、
大理石等たくさん出てきます。販売価格も極端に高くないようです。
私の場合は大谷石の処分方法からの発想ですので、この石を使います。

画像のように大谷石を羊かんのように割りました。試しに平のみで割ってみましたが、
能率が上がりませんので、仕方なく安物の振動ドリルとセリ矢を購入しました。
石の大きさは四種類の大きさに切り分けました。


角形の石のため「帯に短し、たすきに長し」と納まりが悪く、石を入れたり出したり大変でした。
なんとかがんばって一段目が出来上がりました。

黄色いパイプがフェンスの支柱に使う鉄パイプです。
黄色部分に延長金具を使い、支柱を伸ばします。
初めから長い鉄パイプも考えましたが、打ち込み作業
が大変そうなので1mのパイプにしました。

5  ワイヤーメッシュの切断と塗装



さっそくホームセンターに向かいました。ワイヤーメッシュは1m×2mの大きさなので私の車には乗せられません。
レジで軽トラック借用の予約を取ってからワイヤーメッシュの陳列コーナーへ。
5ミリの亜鉛メッキされたワイヤーメッシュを横目に(この亜鉛メッキワイヤーメッシュは動物侵入防止用であることが分かった)、普通の5ミリのワイヤーメッシュを9枚と3.2ミリ×30メートルのなまし線を購入した。脱脂剤とシルバー錆止めは小容量の缶だったのでネットで購入することにしました。

太さ5ミリのワイヤーメッシュは写真のように7本の横棒と14本の縦棒が網になっています。
1枚のワイヤーメッシュで一つのカゴを作るので、図のようにカットしました。
これですと1枚のワイヤーメッシュで60cm×45cm×30cmの小ぶりなカゴが一つできます。

カット作業は簡単ですが、切る場所を間違えないようにしましょう。

次に接続用らせん針金の切り出しです。カットする長さは、らせん状に仕上げますので少し長く切ります。
60cm用(80cm)が4本、
45cm用(65cm)が4本、
30cm用(45cm)4本の12本が必要です。
9個のカゴですから各々36本を用意します。



ガビオンの色はシルバーが似合っている。
というのは、ライトアップされた、たくさんのガビオンの写真を見るとよくわかりますが、シルバーのガビオンは光に照らされ、細い縦横の鉄筋が反射し、益々その存在感を増します。塗装していない試作品にライトを当ててみましたが、反射率?が低いので黒い線としか見えなく闇に映えませんでした。
塗装方法もネットで調べました。それによるとワイヤーメッシュは油が塗ってあるので脱脂をしてからペンキ等を塗った方がよいとの書き込みを見つけました。

 ガビオン作りの行程で、この脱脂と錆止め塗装が一番大変でした。
せめて針金だけでもステンレスのものを買うべきでした。

接続用の針金をらせん状にするために、13ミリの水道UV管(塩ビパイプ)を使いました。
先端にUV管T型部品を付けると力が入って都合がいいです。
UV管にマジックで針金を巻くガイドラインを書いておきます。
針金を固定するためにT型部品近くに穴をあけ、その穴に針金の先端を入れます。
右手でUV管を回しながら、左手は針金をガイドラインに沿うように押さえます。2回ほど練習したところ、巻き上げる要領が分かりました。
この記事の参考画像は、ページの【参考画像-5】をご覧ください。

4 接続針金のピッチとガビオン再考。


■接続用針金の巻きピッチについて。

試作品のピッチは12センチです。
2枚のネットを、スクリュー針金が回転しながら快調に接続していきます。
ピッチ間隔が長い分、間延びして頼りない感じになってしまいました。
ガビオン 自作 DIY ワイヤーメッシュ

試しに針金を4センチピッチで作ってみましたが、13ミリの水道塩ビ管に
巻くのはけっこう大変でした。塩ビ管から外し、ワイヤメッシュを接続してみましたが、
ピッチが狭い分、抵抗が大きくなってスムーズに巻きついてくれません。
(でも4センチぐらいが見た目も格好いいですね)
本番では13ミリの塩ビ管に10センチピッチでマジックでガイドラインを書きました。
画像はマジックとテープでごちゃごちゃになった塩ビ管です。
※忘れる前に書いておきますが針金も錆に強いステンレスを使った方がいいと思います。

■試作品は思ったより簡単に出来上がりました。
線径が3.2ミリなので頼りなさそうです。

■そもそも、ガビオンとは何だ?
子供のころ、川遊びをしていた場所に、筒状の蛇篭が並んでいました。
太陽熱で熱くなった蛇籠の針金を素足で踏むと「アチチチ」なんてね・・
網の隙間に小魚が泳いでいたのを思い出しました。

gabionとはイタリア語の「gabbione」からきており、大きなカゴという意味です。
数千年前のエジプト。ナイル川の氾濫後の修復方法としては、壊れた土手
に石を投げ入れただけだったでしょう。しかし次の洪水でその石も流さ
れてしまいます。その繰り返しの中、単体の石だから流されるので「石を大
きくまとめればどうでしょう?」という案が出たのだと思います。
中国でも同じように考える人がいました。四川省の都江堰に紀元前3世紀
ごろの構造に蛇籠らしい構造が確認できるらしいです。
イタリアのミラノ。レオナルド・ダ・ヴィンチがこの有効性を知り、スフォルツェ
スコ城の基礎にこの工法を取り入れたとあります。

また、戦争でも使われています。ネット(ケージ)を運び、その場所にある石や土を詰め込めば強固な壁が
できてしまうので、防禦壁として使ったそうです。


■日本では西暦400~600年に中国からその工法が伝わってきたらしいです。
余談ですが1754年の薩摩藩による木曽三川の難工事にも数千の蛇籠が
使われたとあります。 幕府による薩摩藩の弱体化を狙った工事で宝暦治水事件です。
薩摩藩は耐えに耐えて工事を完成させました。
徳川憎しの思いは、代々語り継がれて幕末を迎えることになります。



■明治期になり竹製の蛇籠は針金製に変わってきます。
ガビオンというゴツイ塊をアートデザインとして観察した人物は誰だっ
たのでしょうね。きょうは、そんなことを想いながら書いてみました。
この記事の参考画像は、ページの【参考画像-4】をご覧ください。

3 試作品を作る


 試作品用に買ってきた線径3.2ミリのワイヤーメッシュのマス目は10センチです。
画像のようにカットしてみました。これで70センチ×40センチ×30センチのカゴが一つできます。
次に接続方法です。
2番は道具そのものがありませんのでパスです。
3番の方法は、やりにくいうえに、出来上がりがチープに見えます。
1番のスクリュー状にした針金を巻きつける方法が見栄えも良く、巻きつける作業も面白いです。

針金をスクリュー状にする方法です。
■園芸用の支柱に巻き付ける方法。
 初めは園芸に使う緑色の支柱に巻き付けてみました。
 巻き付けることはできましたが、支柱のイボイボのため、巻きつけた針金が外しにくいです。
 巻き付ける面が、丸くて滑らかな物は何だろう?
■水道に使う塩ビパイプに巻き付ける方法
 準備品は径が13ミリ長さ1mの塩ビパイプ 1本。
 塩ビパイプに合う、チーズという塩ビパイプT型部品 1個。
   塩ビパイプにチーズを取り付ける(接着剤は無くてもOK)
 チーズ付近に針金固定用の穴をあける。

接続用針金の本数は70センチ用として4本。40センチ用が4本。30センチ用も4本が必要です。
針金は70センチピッタリに切っては短い仕上がりになりますので、例えば70センチ用でしたら
針金は90センチに切ります。この長さは螺旋のピッチにより調整します。
この記事の参考画像は、ページの【参考画像-3】をご覧ください。
 

2 ガビオンの代用品を探す


何から始めてよいのか全然わかりません。とりあえずネットで
「ガビオン、gabion」で詳しく調べてみることにしました。たくさんの
外国人がガビオンの作成過程をアップしています。

■ユーチューブ動画を見ると専門業者と自作の二種類に分けられます。
業者の動画からは重機を使った大型のガビオン作成行程が見られ、
個人で自作している動画からは苦心しながら作っている様子が
伝わってきます。共通しているのは金網を箱型に組んでいることです。
まず、動画で箱の固定方法を丹念に観察しました。
目を凝らして見ると固定するための方法はいくつかあることが分かりました。
1、 らせん状の針金を金網に絡ませていく方法。
2、 金網の接続箇所に特殊な道具で1ヶ所ごとに針金をホッチキスのように
  とり付ける方法。この道具はホグリングプライヤーというもので、私は初めて知りました。
3、 金網の鉄線で絡めていく方法。
ガビオン 自作 DIY ワイヤーメッシュ

組む方法と並行して、ガビオンという金網が販売しているのかを調べました。
初めから自作するつもりですが、念のため販売状況の確認です。
販売業者は確かにありましたが、2~3万円で販売してしています。
送料とオプション部品も加算されますので相当な出費が想像できます。
販売値段を知ったことで、迷いなく自作に集中できるようになりました。

■さて、高額ガビオンの代用品を探さなくてはいけません。
 金網メーカーのサイトを覗くと多くの種類がありますが、まとめ買いが基本のようです。
本格的に作成すする場合は検討の余地があります。
 参考サイト  ★ttp://www.amichu.com/index.htm

町のホーセンターには四種類のワイヤーメッシュがありました。
A 線径3.2ミリ         マス目100ミリ 1M×2M       520円
B 線径5ミリ、         マス目150ミリ 1M×2M       478円
C 線径5ミリ、スクリュー    マス目150ミリ 1M×2M       428円
D 線径5ミリ、防護、亜鉛メッキスクリュー   1.2M×2M     1080円 マス目180×4段・80×55段
Dは猪の侵入を防ぐ亜鉛メッキ金網です。これは上下のマス目が違いますが、面白い使い方ができるかもしれません。
テスト用として3.2ミリのワイヤーメッシュ1枚と線径3.2ミリの針金を購入しました。
さっそく、道具箱の中から安物のボルトクリッパ(太い針金を切断する道具)を持ち出し作り始めました
ボルトクリッパの取っ手部分に適当なパイプを突っ込み、柄を長くしました。ワイヤーメッシュは面白いように切れます。
この記事の参考画像は、ページの【参考画像-2】をご覧ください。
つづく

1 ガビオンを作り始めた理由


庭の片隅に大谷石が20本ほど積み重ねてあります。忙しさにかまけて
長年にわたり放置していましたが、昨今の断捨離ブームの波にも押され、いよいよ
石の処分に重い腰を上げることになりました。
処分といっても初めから業者に頼む気は無く、砕いて山にでも捨てようかと気楽に考えていました。(当方の住まいは田舎町です)とりあえず、石を駐車場まで引き出しました。並べた石を見回し、この量を山に捨てるのはちょっとまずいと思い始めました。
■何かいい方法は無いものかとネットで調べ始めたら「ガビオン・gabion」という画像に目が止まりました。角型の金網に石を詰め込むだけの構造です。
どこかでこういうものを見た記憶がありました・・・そう数年前に品川のモンベル店付近で見かけたのがガビオンだと思います。あの時は変なのがあるなというだけの認識でした。
ガビオン 自作 DIY ワイヤーメッシュ
モンベル品川店付近

パソコン内の画像を閲覧していくと様々な形のガビオンがあり、なかでもライトアップしたガビオンの存在感が素晴らしいと思いました。
様々といっても角型に組み立てた金網を垂直に設置するというのが基本のようです。
次に動画を調べました。ユーチューブを見ると、大がかりな治水工事から個人の作品までたくさん出てきました。
ガビオンのデザインとしての発達は、西洋の石造文化と日本の木造文化の違いのような気がしました。
なかでも瓦礫を詰め込んだ作品や金網そのものから自作していく動画には感心させられます。
自分でもできるかな、という気持ちが沸きあがってきました。
この記事の参考画像は、ページの【参考画像-1】をご覧ください。
つづく